SICK&TIRED
そのまま手はアタシの腰あたりから服の中に侵入してきて、胸を焦がすような思いが理性を飲み込もうとした時
指先にかろうじてひっかかっていたカバンが振動をはじめた
二人の動きが止まる
携帯……
アタシはとうまくんから体を離してカバンをまさぐった
「もしもし??」
案の定それはまことからで、アタシはとうまくんに背を向けて少し離れる
今日何時に終わりそうかの確認の電話
「16時には終わってると思う」
渡したい物がある
そう言われて、いつものように車のところで待ち合わせをした
電話を切ると少し気まずい空気が部屋に充満していく
携帯をカバンに再び入れると、背後からきつく抱きしめられた