SICK&TIRED
TIRED 5
駅から家までの道程を手をつないで歩く
もうすっかり夜は冷え込むから、お互いの熱を分け合うのが心地いい
「すっかり初デートを邪魔されちゃって、ごめん」
「ううん、なんか、とうまくんの友達を紹介してもらえて嬉しかった
世の中にはあんなに優しい人達がいるんだね」
アタシの言葉につないだ手をきつく握られると振り向かされた
「まさか、心動いた??」
「え?」
「あれくらい優しい男なら世の中に溢れてるよ?
もしかして、それ全部俺のライバル??」
「そ、そうなの??」
思わず素直に驚いてしまうと、とうまくんが肩をおとした
「ほんと、今までどんな扱い受けてきたんだよ……」
「あ…ごめん……」
「いや、そうじゃなくて……」
そういいかけた彼がアタシの手から紙袋を取って中身を出した
アタシの指を自分の手に乗せて持ち上げる