SICK&TIRED


なんで??

もう解放されたよね??




両手でおでこに浮かぶ汗を撫でて拭う

ゆっくり立ち上がって窓をあけると吹き込んできた冷たい冬の風


一気に体が冷えて

でも落ち着いた



窓のそばについた手が月明かりに光る



指輪………




反対の手を重ねると、ちゃんとそこに存在する

感触がある

大丈夫


机に置いたカバンを探って携帯電話を取り出した

充電器にさしこむ前に電池パックのふたをあけてふせんをはずす



彼の力強い字

それを見るだけでも精神安定剤



電話帳を操作して


彼の名前と番号とアドレスを登録した



これでいつでも連絡できる

つながってる




だけど、夜の闇はアタシを不安にして

やっぱり目を閉じるのが怖くて

それからは眠れなかった





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