SICK&TIRED



「今まで女の子と遊べなかったわけだし、今回は特別

もうOKしたんだろ?」


アタシはうんうんとうなずいた

ちょっと呆れた顔のとうまに

「でももう次は断れよ」

と言われて、アタシは更にうんうんとうなずいた



携帯をいじっていた春樹くんが「優しいねえ」なんてからかうような口調でつぶやくとアタシの方を見た

「さきちゃん、その合コンの場所きいた?」

「えっとね、A駅前にある大衆居酒屋よろずって言ってた、すごい店の名前だよね」


くすくす笑うと「もっとおしゃれなレストランならいいのに」と付け加えて

チラッととうまを見るとしらけた目でアタシを見てるから、笑顔をひっこめた


「ああ~、よろずか……

じゃあ政治経済の3回生だ」



「え?」


アタシととうまの声が重なり、ゲッチューの(またか)とでも言いたげな視線が春樹くんに向かった


そんなこと気にもしてないって感じで春樹くんがおかしそうに言う

「政経の3回は男前が多いよね」



気まずい



別にアタシが合コン相手を選んだわけじゃないのに




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