SICK&TIRED


アタシは机の上の自分の持ち物を片付け始めた

早く行かなきゃ

本を積んでノートを閉じる


その様子を不安そうな顔で見た加賀見くんが身を乗り出した


「もう聞かないから」


え?

聞かない??

アタシが一瞬手を止めると

「怪我のこと、もう聞かないから」

ともう一度繰り返した

傷ついたみたいな表情をされてちくんと胸に罪悪感が生まれる


別に、それを聞かれたくなくて席をたつわけじゃない

「そうじゃなくて」

アタシはそれだけいうとカバンを肩にかけて本を抱えた



彼の横を過ぎるときに制すように言葉をかけられる

「それとも、俺から逃げなきゃいけない理由が何かある??」

アタシは立ち止まったままうつむいてしまった

「そうじゃなくて」

誤解をとく言葉はそれしか言えなくて、




困る


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