SICK&TIRED


「え!ちょっ!待っ!」

「キン肉マンになれ!」

「やだ、そんな事したらとうまくんのおでこにひらがなで“にく”って書く」

「俺はみーとくんじゃない」


ペン先が更に近づいてくるからアタシは震えるように笑った



「やだ、やだ」



そういって、彼のペンを持つ手を両手で抑えると視線を彼にうつした

彼のペンを持つ手からふっと力が抜けて

思っていたより近い距離で目が合う

驚いて後ろに首を引こうと思ったら、首をホールドしている腕に拒まれた


なんだか熱を帯びた目から目を離せなくて、アタシの瞳の奥をのぞきこむように彼の顔が近づいてきた

奥二重のはっきりした目を少し細めているのがなんだか色っぽくて目がそらせないから

フリーになっている手で彼の唇を押さえて拒んだ


一瞬とうまくんの眉に力がこもる


「今日は・・・・あみは?」

お互いの理性を呼び覚ますためにあみの名前を出した

「さあ?友達と遊んでるんじゃない?お互い自由にしてるから」

声のトーンが少し落ちて、アタシの体が解放される

さっきうまれた胸をこがす空気が名残惜しそうにはじけて消えた


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