SICK&TIRED

SICK 6



またアタシは図書館へと向かう

どうしたいのか自分でもよくわからない気持ちを抱えたまま

図書館に用があるのは本当だけれど、どっかで何かを期待してないかって聞かれると「してない!」って言えない

あみの彼氏だってわかってるし、図書館に来ない日はあみとデートかな?って考えたりするし

反対にアタシがまことに呼び出されて図書館に行かない日もあったけれども


何もなければアタシは図書館に足を向けた


携帯を片手で握り締めて図書館にたどりついて、前方を見ると意外な人物が冷たい目でこちらを見ていて、アタシは凍りついた

早足で駆け寄る



「まこと、どうしたの?」

「お前、最近よく図書館に出入りしてんだって??」


なんで、知ってるの?


「うん、卒論の調べ物・・・・ここ資料そろってるから」

まことがアタシを見下ろして鼻で笑った

怖くて顔が見れなくて、彼の高そうな薄手のニットを見つめる

深い紫色のセーターはアタシの不安をかきたてた


まことがアタシの握り締めている携帯をスッと手から奪う

一瞬ドキっとしたけど、それを押し隠した

アドレス帳を見られても平気

電池パックのふたの裏に貼られたふせんに思いをはせる

アタシの反応を見るようにまことがアタシの顔をうかがっている

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