SICK&TIRED
重い空気が流れると、それを引き裂くように明るい声が聞こえた
「あれ?さきちゃんじゃないっすか」
振り返らなくても分かる、その声
まことがそっちに目をやっておもしろくなさそうに顔をゆがめた
「やっぱりお前か・・・・・・
コイツの妹の相手してろよ
人の女に手を出すな」
いきなりケンカ腰の口調にハラハラしてしまう
「そう言うなら、自分の女くらいには優しくしたらどうですかね?」
これじゃ、売り言葉に買い言葉だ
やめて・・・・
後が怖い・・・・・・
「は?おい、さき、コイツ何の話してんの?」
わからないとでも言うようににアタシは首を振った
一瞬会話が途切れて、とうまくんがまことを見やりながら言う
「なんでそんなにこの人に執着するんすか?」
「執着?コイツの抱き心地がサイコーだから」