SICK&TIRED
SICK 7
どんなあざになっているか怖くて見れなかった
でも歩くと響くくらい痛い
投げ捨てられた携帯を拾ってカバンにつっこむと図書館を出た
涙も出ないくらい心も体も冷え切ってしまってて、そんなアタシを夕日が一生懸命照らしてくれているけど、そんなこともアタシは感じられないくらいすべての感覚が麻痺していた
つかまれて乱れた髪をてぐしで整えながら駅へと向かう
アタシの意思とは関係なくけなげにふわふわと毛先を揺らしている
すれ違う人達がスローモーションに見える
アタシだけ別世界にいるみたいな感覚
誰もアタシのことなんて見えてなくって
アタシなんて存在しないみたいで
怖くなる
夕日はすごい勢いで沈んでいって、反対に背後から訪れる夜に冷やされた風が冷たくて突然指先が冷たくなったのがわかった
電車の中で座って指先を見つめるように両手を広げるとその指が震えていて驚いた
となりに座る人がアタシの手をみているのに気づいて慌ててぎゅっと手をぐーにして震えを止める
仲よさそうにドアの付近に寄り添っている恋人同士の背後の窓からすっかり暗くなった景色が街の明かりの残像を残して流れていく