SICK&TIRED
まるでこの部屋から出て行けといわんばかりに寝室に太陽の光がさしこんでくる
寝ていない目にはまぶしすぎて、アタシは目を細めて寝室を出ようと立ち上がった
まことには目もくれず、彼の横をすり抜ける
「ストップ」
まことに腕をつかまれて、一瞬で開かれたベッドにもぐりこまされた
「……やっ……」
「言っただろ?アイツの感触を消すって」
「もうとっくに消えたよ」
自分でそう言うと、昨夜からずっとがまんしてきた涙が一瞬で湧いて出てきた
「いい加減気づけば?
泣いても、拒んでも、
絶対手放さないんだよ」
アタシに対する執着心は限度を超えていて、もう狂気の沙汰だ
他に女なんかいっぱいいるくせに
アタシと付き合ってても、他の女と平気でセックスだってするくせに
なんで
なんで別れてくれないの
まことは時間をかけて、アタシの抵抗を奪い取るかのように、何度もキスをした