SICK&TIRED
ピピー
ピピー
ピピー
自動お湯張り装置が、入浴準備完了の音を出した
「あみ・・・アタシね、ずっと
まことと別れられないの」
シャツのボタンを手早くはずすと鏡の方をみたまま背中を出した
オレンジ色の照明はアタシの体についたアザとキスマークの色を少し緩和させてくれているかな?
蛍光灯のもとだとあまりに生々しいから、ちょうどいい
「何それ」
あみの視線はアタシの背中でとまったまま、どんどんと表情を険しくしていく
「彼氏がやったの?」
「もうずっと
ずっと前からだよ
別れてくれない」
アタシはスカートも脱ぎさった
足にも残るアザ
「とうまくんはこれに気づいて、助けようとしてくれた」
アタシはドアに近づくと、ノブをつかむあみの手をスッとはずした
「アタシはまことと別れられない
どうしたって無理なの」
アタシはあみを向こう側に残したままドアをしめた