0センチの恋〜みんなの王子様〜【短編】
「…は?」
「バカ、好きだっつってんの」
夢?
これは夢?
あたしも今感じているその温もりを抱きしめ返した。
「蜜柑?」
「バカっ…みんな見てんのに…」
嬉しい…
「……あたしも、好きっ…大好き…」
夢じゃないんだね、颯太…。
エミリは「やれやれ」とその場を立ち去った。
周りからは歓声と拍手。
悲鳴のような声も聞こえる。
その中で、あたしと颯太は唇を重ねる。
あたし達の恋は0センチになったって信じてもいい?
離れ離れになっても
心は0センチ。
これからも、ずっと…。
:Fin: