氷雪花
でもね、そういう人ほどむかつくのよ


さぞや皆に可愛がられ

自分の言うことだけを優先させて

他の人の意見は聞きやしない

本当に、温室育ちのお坊ちゃま



他の人の意見を聞いたことがある?



そう聞いたら

「ある」

と応えるんでしょうね



でもね、それがその人の本心だと思う?




人はね、いつでも闇を背負いながら生きていく


そんなの当たり前


でも、あなたに闇は一つも無い


全てが光


自分の目の前で、肉親が殺されたことも、自分が殺めたことも無いんでしょうね



そうだわ


私が近くに居ることで、闇を教えてあげましょう


私は、人間でもない異形の存在


闇はいつも私と隣り合わせ


「・・・いいわよ

その「姫君」になってあげる


・・・貴方達に「闇」を教えてあげるわ




でも、もう遅いから私は帰るわ

バイバイ」



白愛は、そういって屋上から出て行った




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