花には水を
「・・・まじで?」
ふっと息の漏れる音と共に、聞こえてきた低い声。
私は、木立連から見えないと分かっていながらも小さく頷いた。
「・・・それって、付き合っても良いってことッスよね?」
「・・うん」
この問だけは、小声だけど返事を返した。
シンとした空気に、寒々しい風が流れ込んで手がガクガクと震える。
かたん・・・
教室に、その音が響いた。
「俺、先輩に告って・・・・良かった」
「まじで、良かった・・・」耳元で震える低い声が私の脳に優しく響く。
包まれた、体がぎゅっと強く抱かれる度にどくんと胸が激しく高鳴る。