花には水を
ぶわっと勢い良く私に吹き付ける風は、体をじわじわと冷えさせる。
関節の効きにくくなった手を動かして、私は竹の筒に花を挿した。
雪は舞う。
白い様々な結晶が、私の目の前に落ちてはしゅっと消えていく。
「父さん・・・ごめんね」
今日、命日だった事忘れてた。
本当にごめん・・・それで、私父さんと一緒の道いくことに決めたから。
おめでとうって、言ってよね。
頑張れって、言ってよね。
両親の眠る墓石にそっと手を置く。
凍えた手が感覚を失っているのか、冷たくとも感じない。