花には水を



学校に着くともうHRは終わっていて、呑気に欠伸をしながら椅子にもたれている瑞穂に近づく。


眠たそうに、眉を寄せ瞬きをくり返す瑞穂。




多分私の存在に気づいていない。




「よ。瑞穂」



突如後ろから声を掛けた私に、びくっと体を震わせてうおっと声をあげた。



驚きすぎじゃないか?




とも思いながら、クスクスとお腹を抑えて笑う私に瑞穂はブスッとした顔で「おはよ」と呟いた。





「おはよ」



私は笑いながら挨拶を返す。


瑞穂はまた怒ったようにブスッとなると、机に肩肘をついて私を指差した。




「…笑いすぎ」



「…フフ…だって、笑っちゃうんだもん」



新しいものが見えたっていうか?



なんか新鮮な反応を見た?というかね。





とにかく、瑞穂の反応がツボにはまるぐらい面白かった。





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