花には水を
話は進み、私は天文学を学べる大学へと進学する事に決まった。
私と聖夜兄は先生に御礼と会釈を交わして、生徒指導室の扉を閉めた。
「灯」
私の名前を呼ぶ聖夜兄。
「はい」
私は、返事をして顔を向けた。
聖夜兄はまっすぐに私をみるとクシャッと髪の毛を崩し、
「頑張れよ」
にこっと笑って、ポンポンと頭を叩くと正面玄関へと足を向けた。
「うん、頑張る」
ありがとう、聖夜兄。
私は、反対方向へと足を進めた。