花には水を
連が彼女にする…?
どう…いう事?
私は、壁にもたれその会話を静かに聞く。
「あー、あの氷の女って噂の立花先輩?俺的にあの人は、無理」
私の事?
「んなの誰だって無理だろ」
…何この会話…。
陰で言われるならいいけど…こう堂々と聞くとムカツク…。
その場に乗り込もうと、一歩足を踏み出した瞬間。
私の思考機能は停止した。
「てか、連も『本当はタイプじゃねぇー』て笑ってたぜ」
嘘だと、思った。
いや、信じたかった。
私は、口元を押さえるとズルズルと廊下へと座り込んだ。
冬の廊下は冷えていて冷たい。
だからなのか…。