花には水を
嘘、嘘嘘嘘。
う、そ…なの?
気づいたときには、私は涙を流していた。
そう簡単に泣く私じゃないのに…。
どうしてだろう…。
連の事になるの、涙が出ちゃうよ…。
恋ってこんなにも苦しいの?
好きになるってこんなにも、残酷なの?
痛みが心臓を刺激する。
そんな私に追い打ちをかけるように、走る足を止められた。
「…っ…待ってよ!」
腕を掴まれ、強く後ろに引かれる。
私はバランスを崩し、倒れそうになった。
…だけどそれを止めたのは、細いけど逞しい連の腕だった。