花には水を
息が乱れ、私はしばらくの間動けずにいた。
連も私を追いかけ走ったようで、息を乱しながらも「大丈夫?」と優しく尋ねてくる。
や、めて…。
そう言いたいけれど、あまり走らない私の呼吸は乱れていて上手く声にならない。
私は顔を顰めて彼の腕から抜け出ると掴まれている腕を離そうとする。
そんな私を連は、黙ってなんていなくてさっきよりも強く私の腕を掴んだ。
「っ…痛っ…」
その力強さに表情を歪め、痛みの感じる腕から手を退けた。
だけど連の掴む力は緩まない。
逃がさないとばかりに、がっしりと掴んでいる。
「…っはぁ…なんで、逃げんの?」
突然聞こえた声に、私の体は大きく揺れた。
心臓はじくじくと痛み、頭の中はどんどん真っ白になっていく。
「どうしたの?なんかあったの?…あいつらの顔、青ざめてたし…」
その言葉で、私は更に表情を歪め今度はさっきよりも強く腕を引き離そうとした。