花には水を



私は、朝家で倒れたまでの記憶しかない。



そういえば、今何時だろう…。



聖夜兄、まさか会社を休んだのかな…。



悪いことしたかな。



今私の為に一生懸命やってる時なのに。



「俺、起きたら灯倒れてたからまじで焦った…お前の顔真っ青だったし。」




あーあ。



心配かけちゃったんだ…。



「ごめん」



聖夜兄に謝るともう大丈夫だと示す為に体をベッドから持ち上げようとする。




点滴に繋がれていない方の腕で懸命に体を起こそうとするが、ガクガクと震えてばかりでなかなか起き上がれない。





そんな私を見かねた聖夜兄は




「まだ無理をするな」




とトンッとデコをつついた。




自分でも起き上がることが困難だと感じ、申しわけないという気持ちを抑えながら再びベッドに寝る。






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