花には水を



私が口を開きかけたその時、聖夜兄は私の頭を優しく撫でて言った。



「…ごめん」



…どうして…?



私が、謝らなきゃいけないのに。



聖夜兄が謝る理由…あるの?


「あんとき怒鳴って…まじで悪かった。…ただ、ただな?気ぃー…使うなよ」




兄妹だろ?と、聖夜兄は切気に笑う。




どくんとした。



心臓が苦しい。



ああ、なんだろう。



守られてるんだな…って思った。



こんなにも自分が愛されてたんだなって…思った。



「うん…ごめん。・・・ごめん」




ごめん、何度も繰り返しいる間に目頭がだんだんと熱くなってきた。




泣いてしまうなんて…。




恥ずかしい…けど、止まらないんだ。









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