花には水を




そんな私を見て、また優しく頭を撫でる。



そして、言葉を続けた。



「お前は俺に、いくらでも迷惑掛けていいんだ、金だっていくらでも出してやる。それはな、親切とかじゃないんだよ。愛おしいから…。たった二人だけの兄妹なんだから…。俺はまだお前を守っていたんだよ。」




うん、ありがとう…。



嬉しいよ…凄く、本当に心がホッとするように温かい。



「俺に、頼って良いんだぞ…」




そう最後に小さく呟くと、子供をあやすみたいに抱きしめると背中をポンポンとたたいた。



目からは涙が溢れてて。




頬には幾数もの涙が伝っている。







それから、何時間泣いただろう。





久しぶりに聖夜兄の前で泣いた。




中学生に上がってから聖夜兄に涙見せたことなんて無かったな。




…って私、最近泣いてばっかだな。





涙もろくなってるよ…。





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