花には水を
良樹の言ったとおり、彼女は普通に綺麗だった。
二重だし、睫毛はボリュームあるし。
大人びた女性って感じ。
可愛さと美しさを掛け合わせた感じ?
俺のボキャブラリーではこんなとこが精一杯なんだけど…。
モテんじゃないか?って思った。
「なあ、あんな美人なのにそこまで言われるもんなの?」
つい口を切って出た。
別に深い意味はない。
「あーなんでも、入学時立花灯に告白した男が『その髪似合わないし、制服乱し過ぎ。そのだらしなさが既に無理。それと、…っ…顔見れない』とか言われて心を傷つけられ一週間ろくに学校にも行けれなくなってしまったとか」
……そんな、殺生な話が本当にあるのか!?
いや、まだ前方はナイフを突きつけられた感じだろうけど。
顔見えないって…。
ナイフをスライドさせた感じだよ。
「っつーわけで、冷徹女っていうあだ名がつけられた訳。まあ、何人かはcold knifeって呼んでるらしいけど」
「へえ、お前何でも知ってんな」
「俺情報集めるの大好き!ついでに、その情報流すのも大好き!」
「悪趣味…お前に情報知られたくねぇー…。」