花には水を


怪我したんだ!



「あ、はい!病院!やっぱり、何処か怪我したんすよね!?」



彼女は、きょとんとした顔をして



「いや、家に」


と、さも当たり前のように言った。



「え?」




平然と言葉を口にした彼女に反して俺は、上手く状況は飲み込めなかった。



普通、知らない男に家まで送れっていうか?



この人、なんかズレてる。



「え、家・・・ッスか?」



聞き間違いなら、聞き間違いの方が有り難い。



多分俺、この人と一緒に居たらおかしくなりそう。



「あ、迷惑ならいいです。一人で帰りますから」



そういうと、彼女は俺の横を通り抜けようとした。



一人で歩いて帰らせる?


いや、聞き間違いじゃなかったんならそれは…流石に…。



もしかしたら怪我してるかもしれねぇし。




「いや、あのじゃあ送らせて頂きます」



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