花には水を



だから俺は、灯から来た返信に “ 教室で待っていて ” と返した。




一年のところに来るよりも安心だと思ったから。





放課後、荷物を持って教室を出ようとしたとき、クラスの女子に声を掛けられた。



振り向いた俺に、顔を赤くした小さいの女が何か言いたそうに立っていた。




「あの…」



ふうと何度も深呼吸をくり返しては、さっきから同じ言葉を言っている。




そんな焦れったい彼女に苛立ちながら、俺は教室の時計へと目を向ける。





早くしろよ、まってられねぇーんだけど。




つーか…どうせ、何言うか分かってるんだからさ。



すぱっと言えばすぱっと答えるから。




今の俺には彼女の事を考える余裕なんて一欠片も残ってなどなかった。




「ごめんけど、俺急いでるから。行くわ」



「え、あ…ちょっと待って。あの、好きなんです!」


教室の出入口で叫ぶ彼女に俺も驚いたけど、多分まだ残ってたかなりの量のクラスの奴らも驚いただろう。




こんな公開告白。



まじありえないだろ。




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