花には水を
「悪いんけど俺は灯だけだから。他の女の告白とか受け入れられない。」
ごめん、ともう一回謝るとそのまま彼女に背を向けた。
後では彼女の泣く声と、騒ぐ声が聞こえる。
あいつの頭狂ってんじゃん!
そんな声が突き刺すように押し寄せる。
その言葉に痛くなるけどそれぞれ、みんな感じ方も思うことも違うんだ。
だから俺は他人から狂ってるっていうレッテルを貼られても。
それでも、好きだからさ。
気持ちって簡単に変えられないんだよ。
愛せば、愛しく思えば。
そう簡単に、手放せないんだよ。
階段を降りようと足をかけたとき、
「木立!」
少し離れた所から、担任が俺を呼んだ。