花には水を



「悪いんけど俺は灯だけだから。他の女の告白とか受け入れられない。」




ごめん、ともう一回謝るとそのまま彼女に背を向けた。



後では彼女の泣く声と、騒ぐ声が聞こえる。




あいつの頭狂ってんじゃん!




そんな声が突き刺すように押し寄せる。



その言葉に痛くなるけどそれぞれ、みんな感じ方も思うことも違うんだ。




だから俺は他人から狂ってるっていうレッテルを貼られても。




それでも、好きだからさ。



気持ちって簡単に変えられないんだよ。



愛せば、愛しく思えば。




そう簡単に、手放せないんだよ。




階段を降りようと足をかけたとき、





「木立!」





少し離れた所から、担任が俺を呼んだ。






< 243 / 296 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop