花には水を
タイミングわる…。
はあとでかいため息を吐き出して、手すりに体重をかける。
「なんだ?元気なさそうだな。でも、丁度良いとこ見つけたから少し手伝ってくれよ。」
「…すんませんけど、俺急いでるんで。まだ教室残ってる奴に…」
「ほんのちょっとだからさ、な?助けるつもりで頼む!」
手を合わせて、な?と念を押すように言うと俺の返事を聞く前に自分の手の資料を俺へと押し付けた。
「ちょ!」
「これから会議なんだよ!それ、資料室に頼むな!」
「はあ!?資料室って」
別館の方じゃん!
こっからじゃいけないし、三階に昇らなきゃなんねぇって事かよ…!?
ふざけんな、禁煙なのに隠れて空き教室で煙草吸ってたの知ってんだぞ。
「じゃ!」
そそくさと俺の前を横切り、自分が行く手を阻んだ階段を下りていく。