花には水を
" ー…ぶ、おいで "
叔父さんがそう呼ぶと美香さんの方から走って駆け寄るその子は、妃世と同じくらいの歳の男の子。
抱き上げ、抱きしめ、愛おしそうに見つめる叔父さん。
それを見て、嬉しそうに笑う美香さん。
俺の理想の家庭だった。
俺の理想の、家族だった。
写真をアルバムにはさみ直し閉じると、一気に哀しみが押し寄せてきた。
叔父さん
大切な人を守り抜くのは、難しいよ…。
すげぇ、単純なわけじゃない。
どんなに、守りたいと願っても、誓っても。