花には水を
「初め、連のクラスの子が言ってたのを聞いたときわたし連を疑った。…最低だと思う。」
「そんな事…、あれは俺がちゃんとできなかったから」
「違うよ、連のせいじゃない。私が自分で招いた事で連を巻き込んだだけだから。それに、連はずっと私を想ってくれてたのに、私は私の事ばかりで…連にひどいことばかりしたし。心配も…」
ごめん。
その一言をいう前に、私の目の前は急に暗くなってほのかに香る大好きな人の匂い。
ぎゅっと包まれた腕に久しぶりに覚えたなんともいえない程の安心感。
凄く、恋してる…。
胸の奥のじわじわおこる思いも、この熱い顔も幸せなキモチも。
全てが彼を好きだと言ってる。
「灯はそんな事思わなくていーよ。俺が灯が大好きなだけだし。心配もできて、ちょっと嬉しかった…なんて…」
連の顔は見えないけど、恥ずかしそうに最後は小さな声で呟くとさっきよりも強く抱きしめた。
そんな連の言葉も、見えない表情も、なんとなくだけど想像するだけで顔の熱がどんどん上がって嬉しくなって。
「…ばあか」
恥ずかしい気持ちが見えないように、また可愛くない事を言う。