花には水を




「ちょっと待ってな、すぐ飯作るから」




スーツを脱いで腕まくりをするとキッチンへと向かう。



私は階段を下りて冷蔵庫を開けた。




うん、よし。


材料は足りてると思う。




「今日は私が作ってもいい?」




冷蔵庫から必要なものを取り出しながらそういう。




「…は、え?え?ちょっと、お兄ちゃん幻聴聞こえたかな?」




驚いた表情で、ははっと笑う。




なんだ、その笑顔は…。








「ま、これはいつもお疲れ様って事で」




普段は自分の役割しかしないけど。




自分がしなければいけない事以外はどうでも良いって思ってたけど。





なあんか、ふと思ったんだよね。




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