花には水を
謎の
朝教室に入ると、一斉に注目を浴びた。
私を見て、仲間内で話をする。
入学当初はこんなの毎日のようだったから、そんなに気にはならないけれど。
自分の席に座ると荷物を鞄から取り出して、机に収める。
さすがにクマは作ってないでしょ、連。
…メールしてみよっかなぁ。
携帯をとりだして「学校もう来てる?」とメールを打って送信ボタンに親指をかけたとき、
「立花さん」
私を見下ろして佇む女の子。
あ、M子。
携帯を未送信のまま机に置く。
「なに?」
M子に訊ねるとあたりを少し見渡して小さく「ついてきて」とつぶやいた。
え、なに?
まさかまた呼び出しですか?
「瑞穂のこと?」
彼女をじっとみつめてそういうと首をふって、また小さくつぶやく。
「あんたのこと…。早く」
急かすように言うM子には、なんだか緊張感がある。
M子の友達もいないみたいだし…。
私は頷くと席を立つ。