花には水を
星夜兄はそれをむんぐりむんぐり食べると、寝ぼけた声で行ってきますと玄関へと向かって行った。
「えっと、あとは・・・」
って!資料置きっ放しじゃん。
慌てて、机に置いてあった資料を抱えて玄関へ行くと丁度扉を開けて出るとこだった。
「星夜兄!忘れてる!」
私の声に、振り向いて「ああ・・・」と情けない声で資料を受け取ると「じゃあ、行ってくるな」と出かけて行った。
はあ、とためいきをこぼして洗面所へ向かう。
何なんだろう、あの朝と夜とのギャップ。
朝から疲労感いっぱいなんですけど・・。
眼鏡からコンタクトに変えながらまた大きくため息をこぼした。
リビングへ戻ると昨日放置したままだった鞄を手に取り、家を出る。
カチャッという音と共に玄関の鍵が閉まる。