花には水を
「あ、マフラー忘れた」
鍵をかけてから気付くなんて・・馬鹿なことを。
また、戻るのもめんどくさいし。
・・・ま、いっか。
なんとか、なるっしょ多分。
悴んでしまった手を何度も何度も手で擦り合わせながら、学校へ向かう。
空は蒼く澄み渡っている。
昨日まで積もっていた雪は、溶けて消えていていくつもの水たまりが残っているだけ。
「・・・進路希望調査どうしよう」
気付けば書くのを忘れていた。
でも、そんなすぐに出てくるもんじゃないし・・。
ずっと、私は空を飛びたいとしか考えたこと無かったし。
今更、まともな進路希望なんてあるわけないじゃん。