花には水を
馬鹿に明るい声で、私の言葉を軽く交わす。
名前は、沢 瑞穂。
女みたいな名前だけど、一応男。
短髪で、黒い髪の毛。
肌は小麦色。
少し筋肉質な体。
外見からしてみれば、女らしさの欠片もない。
そう、名前だけ。
「あ、瑞穂。そういえば、進路希望の紙になんて書いた?」
こいつに聞くのは間違ってないはず。
瑞穂は、にっと口角を上げて言う。
「サッカー選手」
片方の手でピースをつくって私に差し出す。