花には水を

女子にしつこく絡まれたから、プッチンきてんだなこれは。




「あ、沢には関係ねぇーだろうが。離せよ」




「いや、立花は俺の友達だし。関係ある」





瑞穂はずっと焦点をそいつにし止めたまま無表情で言い返すと、ぐっと顔を歪めて男は元の群れの中に帰っていった。




助かったー。




あのままだと、きっとひどいように罵ってただろう。




瑞穂のおかげだ。




「ありがとう、瑞穂。助かった」




小さく微笑んで瑞穂に手を合わす私に、瑞穂も微かに微笑んだ。






「無茶すぎ、あんな風に男に突っかかって行く奴お前ぐらいだから」








呆れるよ、とため息をつきながら今度はいつものように歯を見せて笑った。