花には水を
「あ、・・何・・」
一歩下がって警戒するような目を向ける。
と、彼の茶色い髪が揺れた。
「朝約束したでしょ?お詫び」
にこっと微笑んで、だけど目は私をしっかりと捉えたまま。
「お詫びなんていらない。それに約束なんてしてないし」
顔を背けて、目を合わさないように言い返す。
と、靴音が聞こえ彼が近づいているのが分かった。
「だーめ、いいからついてきてよ立花先輩」
長い足を縮め、私を下から上へ見上げるように見つめる木立連。
彼の言葉は、何処か甘い。
なんだか、調子を狂わせるような感じ。
「・・・行かない、そこどいて」
「やだ」