花には水を
不覚だった。
どくんどくんと激しくなりだす心臓。
「・・は、は!?子供なんかじゃないし!」
前かがみになっていた体を起こして、できるだけ彼から遠ざかるように体を逸した。
ばか、動揺なんて私らしくない。
・・・あんなに近かったら誰だってドキッとぐらいする。
そう、私だけじゃない。
きっと・・・そうよ。
自分にそう言い聞かせて、熱っぽくなった頬に手を当てた。
木立連の視線が痛い。
ああ、もう見ないで・・・!