花には水を




そう願う私の気持ちが通じたのか、彼は私から視線を外し、店員に声をかけた。




「・・チョコレートケーキと、コーヒーブラックで」





「かしこまりました」





・・・は?




「え、ちょ!なんでチョコレートケーキ・・・」





そりゃ、食べたかったけどさ。




高いし。





「え、違った?先輩が、チョコレートケーキばっかり見てたから」




黒い瞳を私に向けて、小首を傾げる木立連。





私は、顔をしたへと向けて「見てたけど・・・・」と呟いた。





そんな私を木立連は、肩を揺らして笑い出す。





むかつく、むかつく!




笑うな、ばか!








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