花には水を
いつか父さんみたいに、空を見回したい。
色々な惑星を見てみたい。
小さくでも美しい黄色の光を放つ星たちを、一つずつ知っていきたい。
そう思っていた。
だから、父さんが帰ってくるとすぐ一緒に外に出て星を見ていた。
綺麗だな、と父が呟くのを、綺麗だね、とつぶやき返す。
と、父さんの方から微かに聞こえたメロディー。
私は父を見上げた。
父さんは、望遠鏡を覗きながらただただ歌う。
優しい声で、ゆっくりとした口調で。
微笑んで。