花には水を
「・・ハッ・・馬鹿みたいだ・・」
心で思ったことがいつの間にか漏れていた。
瑞穂の驚いたような顔と、不思議そうな顔がこちらを向く。
だけど、それよりも自分が情けなくて。
何度も何度も、期待している自分が馬鹿らしくて。
悲しいのに、胸が痛いのに・・・乾いた瞳からは何も出て来ない。
拒絶したのは自分だった。
好きになったのも自分だった。
彼は悪くないのに・・。
私は、頭から彼を消す事にした。
彼と出会う前の私に戻る事にした。
それが一番、私にも彼にもいいことだと思うから。