花には水を
私は、鞄から財布を取り出して2千円をカウンターの上に置く。
「・・また、なんかあったのか?」
「うん、ちょっと・・」
「俺、いい人じゃないから別に学校に連絡とかしねえーよ?」
「うん、知ってる」
「は、冷めてんねぇー・・・ま、どうぞ?」
肩まである黒と赤の髪をした男の人がカウンターの奥にある入口を手でさす。
私はそこへ入っていく。
真っ黒な場所に何席も連なる椅子のひとつに腰を下ろした。
ぎっという音をしながら、倒れた椅子。