彼女は俺にゾッコンです


「急にどうした?」


俺は日本語ではなく、英語で聞く。


『来週、日本に行くから』


「え!?ホントかっ?」


『わざわざ電話で冗談言わないから』


受話器の向こうで呆れているのが窺える。


「あはは…そーだよな」


『一年ぶりに会えるね♪』


「楽しみだな」


『アメリカに帰ってきたら、また付き合ってくれるんだよね?』


有無を言わせない物言い。


一瞬、椙本先輩の顔が浮かんだ。


追い詰められすぎ?


でももう俺は解放されたんだ。


悩む必要は無い。


俺にはレイラだけだ。


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