彼女は俺にゾッコンです
エピローグ
「愛美、おはよ」
彼女の小さな背中を見つけて声をかける。
「ちょっと!学校に居るときは“先輩”付けてよ。バレちゃうでしょ!?」
おどおどする愛美せ・ん・ぱ・い。
でも顔は怒ってなくて、ニヤけてる。
「“先輩”付けたってバレますよ。愛美は直ぐニヤけるし、口軽いし・・・」
「そんなことないよ!」
「そんなことあるんです。鏡見ます?」
制服のズボンのポケットを探り、鏡を探すフリをしてみせる。
勿論、男の俺は鏡なんか持ち歩かない。
「見ない見ない!!」
慌てて愛美は自分の顔の前で両手を振る。
その仕草に“愛美に触れたい”素直に思った。