彼女は俺にゾッコンです
翌日、椙本先輩はマンガを持って来てくれた。
「はい、これ。約束のマンガ♪」
椙本先輩は朝の誰も居ない音楽室で照れながらマンガの入った紙袋を俺に手渡した。
何故音楽室なのかというと…。
俺はいつも吹奏楽部の健太(ケンタ)と登校している。
今日は健太が朝練だというので、俺も一緒に登校してきた。
サッカー部の俺は健太が別室で練習している間、音楽室で一人、くつろいでいた。
すると音楽室の重たい扉が開いた。
「健太?」
「あっ」
椙本先輩だった。
俺の顔を見るなり扉を閉めて何処かへ行ってしまった。
再び扉を開けて入って来た椙本先輩は紙袋を持っていた。
…そして今に至る。