ツンデレ美女の恋愛事情~新・素敵すぎる上司~
私達はお蕎麦屋さんに寄り、再び車に乗って慎司さんの実家に向かった。

「もうすぐ着くのよね?」

「ああ。あと数分ってところだな」

「何だか緊張して来ちゃった」

「まあ、緊張するな、って言う方が無理だろうな。でもさっき電話で聞いたら、いま家にいるのはお袋と姉貴だけらしいから、それならまだ気が楽だろ?」

「うん…、でも女性の方が勘が鋭いと思うの。嘘がばれないかしら?」

「確かに、それはあるかもな。お袋はちょろいけど、姉貴を欺くのは無理かもしれないな…」

「それじゃ、最初からダメなんじゃない?」

「いや。姉貴は騙されたふりをしてくれるよ。そういう人だから」

「そうなの?」

何か引っ掛かるなあ。お姉さんの話をした時、慎司さんは遠い目をしていたようだし…

「どんな方々なの? お母様とお姉様は」
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