ツンデレ美女の恋愛事情～新・素敵すぎる上司～

やがて車は立派な門扉をくぐり抜け、１０台ぐらい停まれそうな広い駐車スペースに停車した。

「やっと着いたか…。お疲れさま」

「ここ？」

「そうだよ」

「ずいぶん広いのね？ お家も立派だわ…」

「そうか？ 土地は確かに広めだけど、普通の家だよ」

「普通？ これが普通なら、うちの実家は何て言えばいいのかしら…」

「そんな事、気にすんなよ。さあ、行こうか？」

「うん…。何だかすごく緊張して来ちゃった…」

「あまり難しく考えるな。俺にピタッとくっついてればいいから」

「うん…」

私は車を降りると、慎司さんの腕を持って体を寄せた。

「こ、これでいいの？」

「あ、ああ、その調子。しかし照れるなあ。練習しとけばよかったな？」

「練習？ 慎司さんたら…うふふ」


考えてみたら、男の人にこんな風に接するのはこれが初めてだ。
今まで、男に体が触れると嫌悪感が酷かったけど、慎司さんなら大丈夫。むしろ、ずっと触れていたいと思った。