ツンデレ美女の恋愛事情～新・素敵すぎる上司～
玄関に入ると、慎司さんのお母様が出迎えてくれた。

お母様は小柄で丸顔のふっくらした女性で、私の想像とは全く違っていた。慎司さんとは全然似てないので、慎司さんはきっとお父様似なんだなあ。

「遠いのにすみませんね？ 大したおもてなしは出来ないけど、どうぞゆっくりして行ってね？」

「はい。お邪魔します…」

慎司さんと私は応接間に通された。そこは洋間で、ソファが並んでいた。

和室じゃなくてよかった…
正座って、苦手なのよね。

「この子が電話で話した佐久間望愛さん。こっちは俺のお袋」

慎司さんが紹介してくれて、私は「はじめまして」と言ってペコンとお辞儀をした。

「はじめまして。慎司、可愛いお嬢さんじゃないの。やっぱり東京のお嬢さんは違うわね？」

「地域は関係ないだろ？」

「そうなの？」

「馬鹿言ってないでお茶を頼むよ。喉が渇いた」

「はいはい」

「あ、どうかお構いなく…」

「座ってらしてね」

そう言ってお母様は、軽い足取りで応接間を出て行った。
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