ツンデレ美女の恋愛事情~新・素敵すぎる上司~
「ねえ、どっちが勝ってるの?」

「たぶん阿部さん」

「どうして分かるの? お兄ちゃんも囲碁出来るの?」

「出来ないけどさ、親父さんがウンウン唸ってるから。だよね、親父さん?」

「うるさい。気が散るから黙ってろ!」

「やっぱり、そうみたいね。お父さん、頑張って?」

そう言ってお父さんの肩に手を置いたら、お父さんは顔を上げて私を見ると、ちょっと照れた感じで「ありがとう」と言った。

「望愛、俺の事は応援してくれないのか?」

「しないわ。私は負けてる方を応援する主義だから」

「チェッ」

「もうすぐご飯出来るからね」

「ああ」

慎司さんはお父さん達とすっかり打ち解けたみたいで、それがとても嬉しかった。
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