ツンデレ美女の恋愛事情~新・素敵すぎる上司~
「ベッドに移動するよ?」

耳元で慎司さんがそう囁くと、私の体がフワッと宙に浮いた。

「キャッ」と声を上げ、私は慌てて慎司さんの首にしがみついた。

私は慎司さんに、いわゆる『お姫様抱っこ』をされ、暗い寝室に運ばれ、ベッドにフワリと寝かされた。

その時、恐れていた既視感が一瞬だけ私の脳裏を過ぎった。

「望愛、愛してるよ」

「わ、私も…」

慎司さんは他の男の人とは違う。私をちゃんと愛してくれている。あの二人とは違って。

だから、大丈夫。大丈夫なのよ…

私は必死にそう言い聞かせていた。それなのに…

慎司さんが私の上に伸し掛かり、その重みを感じた瞬間、あの時の事が激しい衝撃とともに、フラッシュバックした。
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